
さて、電気自動車といえば急速充電。
その急速充電も速度(=出力)がバラバラです。
一般の方からすればスマホを充電するアダプターの出力を気にしないのと同じでこれらの急速充電器に対しても同様に思われている方も多いことでしょう。
またYoutubeなどで急速充電について話題にしているケースも多いわけですが、入る量に対しての速度というのを客観視できている例が少なく、速度がおちれば「熱ダレが起きた」みたいに言うケースも。
それらの結果、間違ったor誤解した解釈が非常に多くなっているように思います。
急速充電の速度、出力についてはいろいろな要素がありますが、一番大きい要素は自動車側の制御となります。
ドライヤーなども同様ですが、基本的に使う側がその電力を決めるわけで。
その使う側で漏電や内部破壊などがない限り、それ以上の電気が流れることはありません。
電気自動車も同様です。
そして電気自動車の充電は確実にその充電パターンがあります。
例:フォルクスワーゲンID4の充電推移比較

気温などの条件で多少は外的要因(冷却が動作する等)で変わりますが、概ねこのパターン推移します。
そしてこの車の場合、受電能力は90kWとなります。
つまり150kWの急速充電ではその能力を100%享受できなということに。
法律の都合で90kW超はブーストがかかっている状態ですが、
ID4は90Wを天井にして推移し、5分後くらいには60kW台に落ちます。
そして85%~95%を目掛けて出力調整しつつ入っていきます。
基準はおおよそ30分でそれらに至るように制御されているケースがほとんど。
なので、50kWhのバッテリーで25kWhの残があるときに90kW機(45kWh・30分が理論値)で充電すると100%までスッと入るか?・・となると、90%くらいから11kWくらいまで低下して結局23kWhで停止・・みたいなことが起きうるわけで。
それらのパターンはおおよそ
・入る量>充電器の30分で入る理論値‥であれば極端な減衰はありません
・入る量<充電器の30分で入る理論値‥制限が入ります。
このように動作しています。
そして多くの電気自動車は80~85%までは割とすんなり入り、それ以上、特に95%以上は超低速になります。
電気自動車が80%までの充電を推奨しているのは、ある意味この80%以上は充電速度が遅くなる・・というのが加味されているのかもしれません。
結論:ただしく理解すれば継ぎ足しで運用が楽ということに気づくはずです。100%充電は一発の飛距離が欲しい時だけにするのが効率的だと思います。
