自動車全般

「EU、エンジン車の販売2035年以降も容認」は「2035年(従来の)内燃機新車販売禁止」が無くなった訳でない件。

 

みなさん こんにちわ

あるいはこんばんわ

 

さて、世は電気自動車の流れになっておりますが、そんな中ドイツが「e-FuelもOKに・・」という話を3年前倒しで押し込んできました。

つまり、これは予定されていたことの前倒しなわけですが、これが合意に達したといってもそれが実行されるかはこれからの話であり、現時点では「2035年(従来の)内燃機新車販売禁止」とは別の枠組みでの検討となっています。

 

つまり、2035年従来の内燃機廃止ってのは変わっていないわけですが、日本の媒体はそれを曲解した言い方をしています。

「EUが方針転換」と。

 

 

これのことの発端はドイツなわけですが、ドイツの運輸長官は以前にこのように話していました。

 

ドイツ運輸長官「基本的にはバッテリーEVが進む道と確信している」と発言しています。

そしてe-fuelはあくまでも特殊用途で残しておきたいらしく、

長官曰く「大型トラック等ではそれらが必要」とも言っています。

 

 

つまり、e-Fuelの目的は大型車などの2035年内燃機廃止の実現性に難がありそうなときのバックアップのプランと考えているということです。

 

ヨーロッパでは多くの自動車メーカーは電気自動車シフトを明確にしており、エンジン開発は止めています。

そして乗用車はBEVに・・という方針はドイツ自体が言っているわけなので、その点は注意すべきことでしょう。

 

そしてこのe-Fuelをアリにするというのは「この燃料のみで動く車」に限定されています。

つまりそれ以外の燃料では動かない車である必要があるわけで。

 

そしてその前にe-Fuelはパイロットプラントで製造していますが、基本的に再エネで発電→電気分解で水素→燃料と合成・・といったプロセスが必要です。

 

であれば電気で電気自動車走らせますよね?

そしてその手前の水素で燃料電池を走らせますよね?

そしてインフラは比べると水素のほうがまだあるわけで。

 

そのまだ決まらないe-Fuelの条件で他の燃料を入れた場合に走行できない・・ということを考えた場合、通常のガススタでの取り扱いも難しくなるのでは?・・と思われる訳で、結果的にe-Fuelは実はハードルが割と高い燃料であると言えましょう。

今回の前提はその「e-Fuelだけで走る専用車」でないといけないわけなので、その開発もまだ始まってもないわけで。

 

そしてEuro7の排ガス規制がそれ以前にあるわけで、その規制が厳しいのでBEVシフトをメーカーは目指したともいえる現状で、

果たしてその先のe-Fuelが成功するのか?・・と言われると特殊用途以外には無理に感じます。

 

尚、Euro7排ガス規制でトヨタのハイブリットも多くが販売できなくなると言われています。

なのでPHEVシフトが必要と言われているのが現状です。

 

ぶっちゃけ、2035年問題よりもその手前のEuro7のほうが内燃機にとって影響が大きいんですけどね。

 

そんなわけで、背景を知ると方針転換ではないということがわかると思うんですが。。

 

ちなみにe-fuelの価格予測は約700円/Lと専門家の中では言われています。

ポルシェの言い分でも約260円/Lとなります。

 

つまり高価です。

 

そしてe-fuelは膨大なエネルギーを生産で使います。

 

専門家いわく1L製造するのに27kWhのエネルギーを使うとのこと。

つまり、e-Fuelでの運転はBEVの7~8倍のエネルギーが必要となるわけです。

 

こちらの電力確保のほうがハードルが高いとなるわけです。

 

ドイツだけで年間470億リットルが必要とした場合、1250テラWh以上の電力が必要です。

そしてドイツの最近の年間の電力消費は565テラWhです。

そのドイツで4700万台の電気自動車全てを電気で動かそうとした場合は約140テラWhの電力が必要となります。

 

これ見てもなかなか厳しいのがわかりますよね?

つまり、日本でも再エネベースで考えた場合、「電気自動車の電気どうすんだ?」議論よりもハードルが高いということです。

水素のほうがまだメリットがあるとも言えます。

 

そしてe-FuelはT&Eの計算によると95g/kmのCO2を発生します。

これは電気自動車よりも大きい数値となります。

 

 

そんなわけで、この中身が決まってない合意が今後、欧州連合の27カ国の議論の末に可決されるのか?・・とも思う訳ですが、

そんなEUは1460万人が自動車業界で働いてます。

 

 

その1460万人が自動車業界で働くEUでこれだけいろいろと議論され、EVシフトがされていっている・・というのはどういうことか?

なぜ550万人が自動車業界で働く日本では消極的なのか?

 

より俯瞰的に、より深くいろいろと見ていかないと誤情報に惑わされるように思います。

 

 

最後に、もしe-Fuelが市場投入されれば「水素エンジン」の優位性は消滅します。

そもそも優位性は無いんですが、その意味が無くなるということです。

 

なにせ普通に給油できるe-Fuelですから。

まぁ、それ以前にその高いe-Fuelが市場に出回ることがあるのか?・・とも思う訳ですが。

 

 

そしてこのe-Fuelの枠組みはこれから議論され2024年秋までかかるとのこと。

どのように燃料の制限をかけるのか?興味深いところです。

 

 

本日はここまで

 

 

 

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