みなさん こんにちわ
あるいはこんばんわ
さて、世は電気自動車の流れになっておりますが、日本ではe-Fuelの件が報道されたら内容関係なく「いわゆる電気自動車反対派」が欧州の手のひら返しというてますが、これで騒いでいるのが日本だけというのがなんとも。
しかも与党の国会議員までそんなことを言っているので頭が痛くなりました。
海外の媒体では大きな話題になっておらず、この件が3年前倒しになった案件というのが織り込み済みであったことが垣間見えます。
そもそも詳細がまだ全然決まっていませんからね。
でも日本では既存の内燃機が続く・・と捉えているようなニュース/コメントが多く、かなり正常性バイアスがかかっていることを感じるわけで。
そんな日本のそれらのコメントでは欧州を目の敵にしていますが、わたしはそれに対し違和感しかなく。
なぜか?
日本車がそれだけ欧州で売れているのか?・・となるとそうではないので。
ましてやトヨタのハイブリットは日本でも新車販売台数の半数です。
海外だとさらに低くなります。
そしてそれらの陰謀論でよくある「欧州(=ドイツ)はトヨタのようなハイブリットを作れなかったからBEVにしたんだ」といった話もそれらの前提からすると「ええええ」となるわけで。
というわけで、今回は2021年データを元に日本を代表するトヨタが大事に思っている市場を数字から見てみましょう。
これが地域別の数字です。
はい、どうでしょう?
日本を基準で見た場合、アジアと北米が多いですよね?
これらは日本の2倍以上の台数が出ています。
この内訳ですが、アジアのほとんどは中国で約194万台。
北米は米国で約233万台です。
つまり、国別でいうと米国が最重要なエリアとなりますよね?
その米国でのトヨタのシェアは2021年では約13%となっており、そのうちハイブリットは約16%となっています。
ちなみに最近話題にでてくるヒュンダイのシェアは約5%です。
※グループのKIAは約4%。
2位の中国は合弁会社なので純粋にトヨタの台数ともいえず地産地消スペシャルがあるので参考値とわたしは考えますが、
いずれにせよ「日本の販売台数より多い地域」としてはそのようになっております。
つまり、"稼ぎ"においてそのエリアが日本より重要と言えましょう。
そして何故か日本の反EVの目の敵にされる欧州では日本の新車販売台数"以下"の販売台数となっています。
尚、欧州でのトヨタのシェアは約5%となっています。
この時点で「欧州がトヨタを目の敵にしている」・・とはならないですよね?シェアが少ないわけなので。
むしろ米国メーカーのほうが日本車に対して危機感を持つわけなので「米国がトヨタを目の敵にしている」となっていいはずですが、なぜかそのような論調はなく。
不思議ですね。
で、エリアごとの数字も見てみましょう。
「その他」は複数国なので参考値で見てください。
さて、米国での販売台数が圧倒的なことがこれからもわかりますよね?
トヨタとしてもこの市場は重要なことがわかりますよね?
ホンダなども同様です。
で、気になるのはやはりドイツでどれくらい売れているか?・・でしょう。
なにせ欧州=ドイツみたいな感じで考えている人が多いので。
まぁ、フォルクスワーゲンやメルセデス、BMWの国ですからね。
わかります。
そのドイツでの販売台数は81061台です。
台数でいうと日本で一番売れている輸入車、メルセデスの約50000台より多いですよね。
で、そのドイツは2021年にどれだけ自動車が売れているか?
3088697台となっています。つまりこのうち81061台がトヨタということです。
8万1061台/308万8697台ということですね。
ちなみに日本は4392789台でした。ドイツが減って日本は増えるという点にコロナのドタバタが垣間見えますよね。
はい、ここでも書いておきましょう。
これだけのシェアでドイツのメーカーはトヨタを脅威に思いますかね?
8万1061台/308万8697台ですよ?
ちなみにそのうちハイブリットは約1%と言われています。
ドイツにとってハイブリットは脅威なんでしょうか?
そしてそのドイツメーカーのアメリカでの2021年のシェアは
メルセデス 2.2%
アウディ 1.3%
フォルクスワーゲン 2.5%
BMW 2.2%
トヨタ 13%
つまり、ドイツ自動車メーカーにとってドイツ国内では脅威でなく、ヨーロッパ圏でも脅威でなく、
そして中国では合弁会社で古くからシェアがあり、アメリカでは惨敗ですが、そもそもその地はビッグ3が強いわけで。
そしてトヨタと同様に欧州自動車メーカーは重要な地域が日本自動車メーカーとは別にあるわけで。
そう考えるとこれらの偏りは理解できますよね?
なにせフォルクスワーゲンとトヨタは今まではトップを争ってたわけなので。
フォルクスワーゲンはBEVシフトを開始した段階で生産工場の変更などで通常通りいかないので「それは辞める」と宣言したのは記憶に新しいところですが、それだけ争っていても販売を得手とする地域がそれだけ違うというのも理解しておく必要はあると思います。
この状況で欧州のトヨタ潰し〜・・は影響度合いからするとちょっと厳しいですよね。
影響の多いアメリカメーカーのトヨタ潰し・・となったほうが全然しっくりきます。
しかもアメリカも2035年内燃機禁止を目指す州が多くなっており、そもそもパリ協定の2050年カーボンニュートラルの国際合意をしています。
これはバイデン政権誕生でパリ協定復帰となり、それが一気に加速したわけですが、仮に「トヨタ潰しだ」というならばこっちのほうだと思うんですが。
そんなわけで現在はアメリカも電動化をわりとゴリゴリ進めている環境なんですが、それでも日本のいろいろな方が欧州を目の敵にするのはほんと理解に苦しみます。
なんというか、「一番強いところには文句言えないから文句言っても害がなさそうなところを敵にしてしまえ」
そんな風に思えるわけです。
挙句、二酸化炭素なんて減らさなくてよいみたいな暴論も見えます。
・・が、安心してください。
日本もパリ協定に合意しています。
そして2035年あたりを目処に同様の動きがあるわけで。
というわけで、「そもそも他国他のメーカーを目の敵にする必要はないんじゃないの?」・・と思うわけで。
なぜなら「敵は炭素」ですよね?
偉い人も言ってました。
であれば、電気自動車も選択肢の一つ。
それを何故否定するのか?
そしてトヨタの世界全体の新車販売のうちハイブリットは約23%なのに、なせそれを正と言えるのか?
そして電気自動車よりも電気を使う水素と、
さらに電気を使うe-Fuelを何故推せるのか?
非常に奇々怪界な様相だなぁ・・と感じるわけです。
兎にも角にもこの脱炭素の流れは変わりません。
その手段は変わっても国際合意してますからね。
2050年カーボンニュートラルを。
それに向かってのアプローチで必要なのが再エネです。
主に洋上風力ですが、日本でも火力を減らして再エネを増やすことが目標になっています。
これはエネルギーを自国供給ができるようになるので各国この取り組みを進めています。
日本は輸入に頼っているので、これが増えていくとエネルギーの安定供給と価格下落が起きます。
それも目的となっていますが、日本はその再エネ比率を「2040年までに50%以上」を目指しているとも言われています。
となると、自動車についてもこれらを前提とするべきであり、そうなるのであれば発電した電気をそのまま使える電気自動車が良い・・となるわけで。
ちなみにこの風力発電等々で火力発電所/原子力発電所30基相当の電力が発電できると言われています。
あれ?確か全部電気自動車になったら原発が云々言うてた方がいたような。
それ、余裕でクリアできますよね?
この件とEURO7排ガス規制が合わさった結果、「欧州は電動化促進」・・なわけですが、そういう大前提は知っておくべきですよね。
つまり、決してトヨタ云々がでBEVシフトの理由ではない・・ということです。
ちなみにe-Fuelの件はまだ何も決まっていませんが、e-FuelがEURO7排ガス規制実施前(おおよそ2027年)に市場投入できなければ、2035年以前に内燃機単体は販売できなくなると予想できます。
そしてこの話題で重要なことは2035年内燃機自動車販売禁止は乗用車に対するものです。
トラックやバスなどは2030年以降に新たに販売される車両は2019年比で45%削減・・が決まっているだけです。
2040年以降は90%削減とありますが、e-Fuelはこれが対象・・と思った方がしっくりきますし、
そもそもドイツ運輸長官がそのように言っているわけですが、日本では一切知られていないような気が。
そんなわけで2021年のトヨタの販売台数とそれらに付随する情報でした。
本日はここまで
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