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なぜ世界は「電気自動車」推しなの? (1)それはヨーロッパから始まった。【abeo工房考察】



 

この記事は昨年2022年1月6日にnoteに執筆したものを転載・編集したもので。

noteでは有料公開していましたが、1年すぎたので無料公開にしています。

合わせてこちらでもアーカイブで残していこうかと。

では本編スタートです。

 

 

溢れる陰謀論

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現在、世界の先進国ではどんどんゼロエミッションカー、
つまり「排出がゼロな自動車」を増やすように進められています。

これについて日本では
・欧州メーカーがハイブリットができなかったから日本車の締め出し
・上記をするためのルール変更
・環境団体の陰謀
・原子力発電推進派の誘導
などなどの話が多いように思います。

そして脱炭素がテーマであることから
・飛行機のほうが排出量が多い!
・人に死ねというのか!
・自動車をなくせばいい
などという話も。

そしてお約束の
・トヨタのハイブリットが最適解
・大雪の立ち往生だとハイブリットが最適解
・BEVだと大雪立ち往生で死ぬ
・大雪たち往生はBEVげ原因
など斜めな意見が出てきたりも

おまけで
・発電はどーする!足りないだろ!
・原子力反対!
などもありますよね。

なかなか面白いわけですが、如何に日本がその手の情報に遅れているか?・・が垣間見えるわけです。

・・という事で、今回は「なぜ世界は電気自動車推しなのか?」を大本から紐解いていきたいと思います。

 

 

 

 

知っておくべき「環境問題・温暖化問題」の流れ

 

これらを語る上で必要なのが、環境問題・温暖化問題の流れです。

日本でも温暖化防止の国際会議、「京都議定書」がありました。

京都議定書とは・・
「温暖化において国際社会が交わした初めての約束、国際条約」です。

その国際条約が京都議定書・・ということですね。

この京都議定書がある意味全ての始まりと言っても良いでしょう。
ただし、先進国だけで途上国は対象ではありませんでした。

そして色々あり、結果「京都議定書」は失敗と言われることが多いわけですが、その後にポスト京都議定書といわれる後継の「パリ協定」という新たな国際的枠組みができました。

パリ協定は先進国だけでなく全ての国において取り組みが進むことが期待されています。

つまり、京都議定書よりもパワーアップしているわけです。

このパリ協定は2015年12月に開催されたCOP21で採択され、翌年に発効されたわけですが、基本的には2020年以降の気候変動問題に関する枠組みです。

つまり、2020年から取り組み開始・・な条約とも言えます。

もちろん日本も参加。
京都議定書な国ですから当然ですよね。

このパリ協定の(努力)目標ですが、2050年のカーボンニュートラル…です。

一説によると温暖化の影響は欧州に大きく出てきているらしく、結果的にその意識が高くなっていると言われています。

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氷が溶けて住む場所に困るホッキョクグマ いらすとや

そもそも「パリ」と付いていますので、欧州全体は頑張るわけですが、
欧州で問題になっていることがもう一つあります。

それが大気汚染。
これは中国も同様ですよね。

ここまでではっきり分かる事がありますよね。

"パリ協定は今の温暖化対策の柱を担っています。"

つまり、2050年の目標が決まっているので、それまでの取り組みはこのパリ協定の下にある・・ということです。

このパリ協定の結果、各国は2050年までの絵を描くわけです。

2020年の取り組み開始までに計画され、現在実行に移されている内容は・・

・再生可能エネルギーへの移行
・モビリティはゼロエミッションへ

この2つが大きな変化でしょう。

この変化については欧州が先行しているのは言うまでもなく。

 

ユーロの未来の排ガス規制、ユーロ7って?

 

自動車についてはルールから変えていくことで、その変化を促していく・・というのがパターンです。

各国、自動車の排ガス規制がありますが、欧州では現在「ユーロ6」という規制があります。

これはCO2排出量をメーカー平均で94.9g以下/kmに抑える必要があります。
これはメーカー販売全車種の平均燃費を24.4km/L以上にする必要があるわけです。

そこそこハードルが高いのがわかりますよね。

そしてこのユーロ6の次、ユーロ7ではさらに厳しくなると噂がされています。

ユーロ6ではNOxやPMも規制対象となっていますが、それ以外の物質も対象になるとか。

それがどれだけハードルが高いか?

フォルクスワーゲン GOLF8 TDIのエンジン、ツインドージングシステムを見たら推測できます。

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TDI ツインドージングシステム図 出典:フォルクスワーゲン

このエンジンはユーロ6dに対応していますが、これを見ると・・

・タービン直下に酸化触媒
・その後ろに還元触媒
・そのさらに後ろに還元触媒
・最後にトラップ触媒

と、4つの触媒があります。

つまり、既存の内燃機で行こうと思うと補記類側でどんどんコストが上がっていくわけです。

ユーロ7はこれよりもハードルが上がるわけです。

規制見直しの方向性は、
・ガソリン車/ディーゼル車、乗用車/重量車といった違いによらない単一の排出基準
・車両のライフサイクルにわたる実際の排出量をモニタリングするオン・ボード・モニタリングを導入
・既存の規制物質の規制値をより厳しいものへ見直す
・新規の規制物質を追加
・外気温-7度の低温WLTCサイクル試験における規制対象物質を拡大
・RDE試験における適合係数を見直す
・RDE試験における温度・標高に応じてCFを緩和する係数を見直す
・RDE試験にも新たな規制対象物質を追加する
・RDE試験の市街地区画における最低走行距離を短縮する
・車載型排ガス計測装置では精度良く測れない成分については試験室内での模擬的なRDE試験によって規制する
・排ガスの悪化は承知でエンジンや部品の保護などを目的に例外的に実施する制御は最新技術を使っても回避できない場合に限定する

など。

見てるだけで気が遠くなりますよね。

現行のユーロ6dでもそれだけ工夫が必要なのであるならば、ユーロ7にガチで向き合うのは相当苦労する。
であればゼロエミッション側に移行しよう・・と思っても不思議ではありません。

 

 

 

そしてゼロエミッション へ

 

ゼロエミッションの方法はFCEVとBEVがあります。

自動車メーカーにとって、どちらが都合が良いか?・・ですが、
比べた場合、すでにある電気網を活用できるBEVのほうが現実的なわけです。

そしてすでに世界の自動車需要は天井を打ち、右肩下がりになっていると言われています。

自動車メーカーはより合理的な策を模索していくこととなります。

となると

・プラットフォーム共通
・部品も共通
・部品点数も少ない
・労力少ない

これらのものが良いとなるわけです。

さらに自動運転も考慮する必要があります。

自動運転で有利なのは細かい制御ができる電気自動車。

そして何かと問題になっている大気汚染対策。
となると排ガスゼロは大前提です。

…となると、やっぱり電気自動車が良いよね?・・となるわけで。

幸いにも先人の苦労の積み重ねの結果、BEVの可能性やバッテリーの管理方法などが明白になってきています。

そして次世代の全固体電池のスケジュールも見えてきています。

国が再エネ+インフラ整備を進めるのであれば、無理にユーロ7対応にしなくてもBEVに移行したほうがいいよね?

・・となるわけです。

ということで、ユーロ圏で多くのメーカーが同じ方向を向いたのは「パリ協定の結果」と言えます。

そしてそのパリ協定は国際合意。
参加国も新興国も含まれています。

となると、ユーロ圏以外でも同様の動きがあるはず・・となります。

グローバル展開している自動車メーカーからすると、タイミングは違えどBEV市場が確実にある・・となりますよね。

 

 

 

予告:次はアメリカの話

この点でバタ付いた国があります。
それがアメリカ。

続編でそれを書きましょう。

次回もよろしくおねがいします。

 

 

 

 

今回はここまで。

 

 

 

 

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