この記事は昨年2022年1月6日にnoteに執筆したものを転載・編集したもので。
noteでは有料公開していましたが、1年すぎたので無料公開にしています。
合わせてこちらでもアーカイブで残していこうかと。
では本編スタートです。
前回のはこちら
全ての温暖化対策は京都議定書に通ず
パリ協定(2016年)の結果、脱炭素&地球温暖化対策が加速。
「2050年にカーボンニュートラル」を(努力)目標とし、さらなる変化が始まっていったわけです。
日本もパリ協定に合意しているので、2020年10月26日に菅前首相が「2050年カーボンニュートラル」を発表。
至極当然な話です。
でも陰謀論者は「日本政府が勝手にそれを決めた」とか、「欧州に続かなくていい」など発言してますよね。
そもそも「勝手に」みたいなフレーズが不思議なわけですが、オチからするとこれらの”反対する”人たちが「パリ協定」の事を”知らない”or”軽視している”という事なんでしょうね。
日本はSDGs後進国と海外から言われていますが、原因はこれらの情報に疎いからなのかもなぁ・・と感じたりもしますよね。
なにはともあれ日本は一応「先進国」。
所得的に見ると一人負けな日本ですが、一応「先進国」ですから、
これらの環境問題には向きあう必要があります。
「先進国」ですからね。
ましてや京都議定書という気候変動で世界で初めての条約を作ることになった国ですから「やらない」という選択肢はありませんよね。
ほら、「先進国」ですし。
「2050年カーボンニュートラル 」は世界の標準的な目標、そして大気汚染対策もセット。
なので、日本の「2050年カーボンニュートラル 」はマスト。
そしてゼロエミッション も目標となるわけです。
なぜゼロエミッション か?・・ですが、大気汚染が軽減されるので。
欧州や中国はそれが酷いので余計にゼロエミッション を目指すわけです。
なので、理屈でカーボンニュートラル ・・ではなく、「出さない」ということが重要になってくるわけですね。
これについても反対を唱える方はいますよね。
でも考えてみてください・・
空気がきれいになると
・東京から夏でも綺麗に富士山みえる
・雨に入る煤も減り、洗濯物や車の汚れが軽減
・光化学スモッグがなくなる
・喘息やアレルギーが軽減される
そのようなメリットがあるわけです。
欧州などはそれらも目指しています。
どうせやるなら・・ですよね。
なんにしても2050年カーボンニュートラル は世界の共通の(努力)目標であるわけですが、合わせて大気汚染対策もそれに含まれていると考えるべき
でしょう。
自動車販売台数の下降は始まっている
さて、話を戻しましょう。
世界の自動車産業は右肩上がりでずーーーっと進んでいたわけですが、人口や高齢化の問題から何れ天井を打ち、右肩下がりになるであろう・・と予測されていました。
結果的にそれは既に起きており現実になっているわけです。
もちろんコロナ前からその兆候は出ています。
その予測から”さらなる合理化”・・を求めるようになるわけです。
「数が売れなくなれば合理化で利益を確保していく」・・至極真っ当なパターンです。
昨今の吸収合併・身売りなどもその影響と言えるでしょう。
その吸収合併などによりプラットフォームやユニットの共通化ができ、
開発コスト/時間も短縮、拠点の削減・・といった効果が得られるわけですね。
そのタイミングでのパリ協定の取り組み…です。
そして予測される規制の強化。
そして欧州メーカーが出した結果は・・
そう、BEV化です。
「排ガス規制が厳しいんですもの」
そんな声が聞こえてきそうです。
なぜFCEVでないのか?
これも合理化の結果と言えましょう。
これについての「物理的な合理化」については別の記事に書きますね。
そんなわけで「合理的な判断の結果」、ヨーロッパ勢は「第一にBEV」という方向性になったわけです。
<以下追記>
尚、2023年に入ってからドイツがe-Fuelも認めるべき・・と欧州連合に言い出しましたがこの時のドイツの運輸長官の発言は「乗用車はBEVでまちがいない、大型車はそれを考えるべき」ということでした。
日本ではその言葉が切り取られ一人歩きしていますが、そもそもトラックは2035年の時点でもゼロエミッションは必須でなく、それから考えていくような話題になっています。
・・ので、これはある意味それに対してもアクションともいえます。
またe-Fuelは再エネ由来の水素で合成した燃料が定義ですから、現状ではパイロット生産以外はできていません。
これが市場に回るにはまだまだ時間を要します。
乗用車はそれらの普及より前にゼロエミッション化が続いていきますので、実際にその時にe-Fuel専用車が作られるか?・・となるとポルシェ以外は難しいように感じます。
注)e-Fuelは前提としてそれだけしか使えないようにするという制限がありますので、既存のガソリン車と構造は同じだったとしても制御は違うものとなります。
世界販売台数から見る変化の方向性
さて、少し見方を変えましょう。
これは2019年の世界の販売台数。
1位は中国。
2位はヨーロッパ大陸。
3位はアメリカ。
この3つの大陸は持っている数字の桁が違いますよね。
これらの合計で世界の68%近くあります。
で、その2位のヨーロッパ大陸がゼロエミッションで選んだのが「一番目に電気自動車」です。
そして1位の中国も電気自動車に力を入れるとなっています。
ヨーロッパとの違いは「露骨な国策」としてやるという点ですね。
「電気自動車」自体の考え方にも違いがあるので、その点は注意が必要です。
ただし、電気自動車の市場があるというのは間違いないでしょう。
となると販売台数 1位・2位は電気自動車を第一に進めていく・・となります。
では3位のアメリカはどうなるか?
アメリカの"どんでん返し"と自動車メーカーのしたたかな戦略
ご存知の通り、トランプ前大統領はパリ協定を2017年6月に離脱しました。
これに対しアメリカ国内・日本・ヨーロッパなどは反発。
結果的にアメリカの温暖化対策は停滞することに。
ところがどっこい!
2020年大統領選でトランプ氏が敗れました。
そして2021年1月20日に・・
ジョー・バイデン大統領が誕生。
そして約4年ぶりにパリ協定に復帰するわけです。
これで流れがグイッと変わったのは言うまでもなく。
2021年8月にはホワイトハウスでEVイベントを開催。
テスラ が招待されずに話題になりましたが、それ以外のアメリカメーカーは新型のBEVを並べていましたよね。
これはどういうことか?
アメリカの自動車メーカーはトランプ元大統領の考え関係なしにパリ協定の取り組み、そして中国市場とヨーロッパ市場の動き見越して電気自動車の開発を行なっていた・・ということになります。
自動車の開発はざっくり5年かかります。
パリ協定は2016年です。
2020年から取り組み開始となっているこの協定、
そこでスタートダッシュをするのであれば、
結論を早く出し、開発を進めることが重要です。
その結果、2020年(=パリ協定の取り組み開始の年)がBEV元年といえるくらい、向き合った世界の各メーカーからBEVが発表された…ということです。
とどのつまり、アメリカではトランプ氏関係なしにBEVの準備が進んでいたというオチに。
これの理由はやはりテスラの存在が影響していると思われます。
「軸」で見えかたが変わる電気自動車
結論ですが、世界の大陸では「自動車産業は右肩下がりの業界なので合理的に判断した結果、カーボンニュートラル は電気自動車を第一に進めることになった」といえましょう。
世界の約68%の市場がそのように判断した・・と言えるわけです。
結果、「世界はBEV推し」と思える状況になったわけで。
これら全てが「パリ協定」を軸に進んでいることがわかると思います。
全ての物事をその前提で考えると線で繋がるはずです。
でも日本の媒体の多くはこの「パリ協定」について取り上げないんですよね。
その結果、日本ではこの「世界の”電気自動車”への流れ」が非常にわかりにくくなっていると思われます。
そしてそれらは「電気自動車」を軸に話を展開していくので、世間は結果的に「いきなり電気自動車と言い出した」という風に受け取るんだと思われます。
尚、この件で世界から「世界の流れから日本(自動車メーカー)は遅れている」と言われていますが、これは”パリ協定(2016年)から見た動き”に対して・・となります。
この原因ですが、地域別シェアの偏りが原因だったのではないか?・・と私は思っています。
その結果、4年近いブランクが出来てしまった・・と。
これは違う記事で書きましょう。
今回はここまで。
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