みなさん こんにちわ
あるいはこんばんわ
さて、世の中電気自動車の流れとなっていますが、日本では某メーカーの主張により「水素」が次世代と思っている層がおられますよね。
その水素はどうやってつくるの?・・とか、その水素の安定性は?・・とか、危険性は?・・とかまで周知されているわけではないっぽく、
なぜかガソリンのように使えると思われている方も。
一言で言ってやばいですよね。
なのに「電気自動車の電気は火力発電だから云々」みたいなことを言うわけで、それもまた某メーカーの主張をなぞっているように感じるわけで。
もうそこまでいくと洗脳ですよね。
で、そんな水素を燃料とした車で現時点で販売している自動車は・・
画像出典:トヨタ
トヨタのミライですよね。
この車、ぶっちゃけ売れてないですよね。
それがもう水素に対しての答えといえると思うんですが、なぜか将来的にはインフラがすごく増えると思っておられたりするんですよね。
でも現在の計画でもLPGスタンド以下の数までしか増える予定がないわけで。
そして現状でも実は日本は水素ステーションが一番多い国なんですよ。
それがわかる図がこれ。
IEA(国際エネルギー機関)の資料となりますが、2021年においての数となっています。
出典:IEA
外側のサークルはFCEVの数です。総数は51600台。もちろん乗用車だけでなくバスなども含んだ総数でしょう。
そして内側は水素ステーションの数です。その数730件となっています。
そしてそれぞれの国での割合が出ています。
まず韓国 世界で4番目の16%の水素ステーションの軒数がある一方、FCEVの台数は38%と1位です。
水素ステーション<台数となります。
これらを比較する際の注意点は国土の大きさの「差」ですよね。
アメリカを例にとると、水素ステーションは9%で6位ですが台数は24%で2位とあります。
アメリカも水素ステーション<台数となりますが、
これらを比べると韓国は面積的には小さいですが、それに対しスタンドは比較的多いと言えます。
一方、アメリカは国土が馬鹿でかいのに9%です。つまり、面積比でいうと少ないんですよね。
事業用であれば少ないステーションでも成立しますので、この2国はそういうことなんでしょう。
その次は中国がステーションが20%で台数は3位の16%となっています。
水素ステーション>台数となります。
ここで面白い現象が。ステーションが多くなっているのに台数は減少しているんですよね。上記2国より
中国も大きい国ですから面積比でいうと少ないステーション数となりますが、実際には首都圏にあつまっているでしょうから、
ステーション数の割にFCEVの需要が伸びていないといえましょう。
そして次に日本がきます。
ステーションは世界1位の数で23%です。・・が、台数は13%。
水素ステーション>台数ですね。
日本は他国より小さい面積となりますが、ステーションの数が一番多いとなると利便性は一番良いと言えます。
・・が、台数は世界で4番目で韓国の1/3しかありません。
つまり、それだけ普及していないと言えます。
そしてドイツはステーションの数は13%、台数は3%と少なく、
その他の国まとめてもステーションは 19%で台数は6%、
これらも水素ステーション>台数。
もちろん普及しているレベルでなく。
そんなわけで、綺麗に傾向が分かれていることがわかります。
水素ステーション>台数
水素ステーション<台数
この2パターンですが、水素ステーションが多い場合はそれだけFCEVが普及していないといえましょう。
逆に台数が多い場合はFCEVが普及していると言えます。
結果論ですが。
さて、ここで疑問が出ますよね?
水素は乗用車で普及するのか?
数字から見ても韓国とアメリカは事業用が多いように思いますよね?
一方、日本はステーションは多いけどFCEVの台数は4位と少ないです。
つまり、FCEVのニーズが無いという言い方になりますよね?
ミライは2014年12月から販売していますが、9年経過しても台数は少なく。
もちろん2代目で多くはなりましたが目まぐるしく増えているわけでなく。
そしてそれ以外のセグメントでは販売せず、そして同一セグメントでもう一社種投入・・もこれもミライと同じようなもんなので、
実質ノーカンです。
日産やホンダも辞め、BMWも水素エンジンはやめ、提携しているトヨタから燃料電池ユニットを供給してもらってはいますが、そのiX5はまだ少量生産でパイロット販売はまだ始まっていません。
ちなみにこのBMWとトヨタの提携はスープラを実質OEM提供するにあたって結ばれた身代わりみたいなものなので、
「BMWが燃料電池にシフトした!」とは言えないレベルの取り組みとなっています。
そもそも、水素ステーションが少ないですから、どれだけ普及するものなのか?・・となるわけで。
これらから乗用車の燃料電池車は非常に苦戦していると言えますが、事業用となれば別ですよね。
大きい車体に燃料電池は十分にメリットがありますから。
となると、やはり自家用車用途にはニーズが少ないということなんでしょうね。
ちなみに水素エンジンネタで「液体水素になれば」みたいな話がありますが、液体にするのも割と大変で保存は-253度という条件があります。
そして保存容器は真空断熱は必須。
ちなみに高圧状態の水素は水素脆化も問題になるわけで、定期的なチェックも必須でこれはガソリン車以上の手間になることでしょう。
で、液体水素ですが、その温度を維持できないと気化します。
でもタンク内の液体水素は振動などの熱で温度変化しますので気化は避けられません。
その気化したガスは圧力が上がる原因となるので、実は外部に安全に放出するためのベント装置がついてたりします。
これ、乗用車でできますかね?
例えば猛暑の際に自動車の液体水素タンクを-253度に維持するには?・・と考えると短時間での使用はいけても一般用途の入れっぱで長期間駐車・・ではかなり無理があると思うんです。
なんなら二週間で空になるかも?しれません。
水素エンジン車、満タンにしたはいいけど2週間停めていたらタンク空・・って厳しいですよね?
使います????
となると、やはり水素は乗用車では高圧水素がいいところ。
そしてそれ以外は産業用や大型車両向けでの利用が一般的になると思うわけで。
水素脆化と付き合う都合、定期的に保守メンテは必須ですからね。
・・ということをその割合から思うわけです。
そしてこんな風にも思えるなぁ・・と
「欧米はトヨタのようなハイブリットができなかったからBEVシフトでトヨタを貶めようとしている」みたいな陰謀論ありますでしょ?
であれば「トヨタは欧米のようなBEVができなかったから水素シフトで欧米を貶めようとしている」という陰謀論も成立しそう・・とか(笑
新しい着眼点ですね。
兎にも角にも、水素は使われていくと思いますが、産業用がいいところでしょうね。物理的に。
本日はここまで。
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