ロンドンタクシーとは?
ロンドンタクシーと聞いてどのような車を想像されますでしょうか?
多くの方はクラシカルなデザインのイギリス・ロンドンのタクシー・・を想像されるでしょう。
黒塗装が標準で「ブラックキャブ」が通称なその車はロンドンをイメージする車両の一つですが、この車も排ガス規制からは逃れれるわけではなく。
出典:wiki
この車両はイギリスのメーカーで製造されていましたが、時代の流れでその伝統はだんだんと崩れていきました。
エンジンがランドローバーのディーゼルになったこともありますが、これはまだいいでしょう。
その後、インド生産のディーゼルになったと思いきや、日産ディーゼルが載ったりも。
その結果、信頼性が増し、排ガス規制で難が出てもそれの改良で対応するケースが多かったとか。
でも時代の流れは止まらず、海外メーカーのものに変わっていくわけで。
出典:wiki
そしてついには吉利汽車が親会社のロンドンタクシーカンパニーが製造するTX4になったわけで。
この後に次世代モデルの選定があり、日産はNV200バネットでそれにチャレンジ。
出典:日産
最初はオリジナルのデザインでしたがその見た目にクレーム殺到。
で、このように従来イメージを連想するデザインになったわけで。
でも結局は「電気自動車として最低30マイルを走行できる車両でないとNG」という要件が追加され、
日産はコスト面で折り合いがつかなかったので導入を断念する・・といったことに。
そして代わりにその座を射止めたのはLEVIC TXです。
LEVIC TXも吉利汽車なわけですが、英国に製造拠点を用意して製造されています。
その構造は電気自動車+レンジエクステンダーとなっており、電気だけで130km、レンジエクステンダー併用で600km走行可能。
モーター駆動での後輪駆動となっています。
LEVIC TXとは?
セダン
LEVIC TXは吉利汽車が親会社ではありますが、英国製造です。
PHEVのジャンルになりますが、構造は電気自動車+レンジエクステンダー。
そのレンジエクステンダーは1.5Lの3気筒12バルブターボ。
燃料タンクは36L。
そのエンジンはアウトプットで82PSでモーター自体は150PSとなっています。
もちろん後輪駆動。
0-100kkm/hは13.2s 、 最高速は130km/hとなっており走行可能距離はNEDCで600km程度となっています。
プラットフォームはアルミニウムが多用されている独自プラットフォーム。
サスはフロントはマクファーソンストラットでスタビライザー付き。
リアは5リンク+リーフスプリングとなっています。
ブレーキは4輪ディスク。
17インチの7Jホイールで215/65R17タイヤとなっています。
最小回転半径は約4.2m。めっちゃステアリングが切れます。
そしてラゲッジは440L
これが現在の主流といって良いでしょう。
LEVCの今後の展開は?
そんなロンドンタクシーですが、そのLEVCは電動化をさらに進めていく予定です。
商用車でも同様のシステムを用いてバンを展開中ですが、LEVC、つまり吉利汽車はこの車でヨーロッパ市場でメジャーになろうとしているとのこと。
そしてそのLEVCが先日新たな電気自動車のアーキテクチャを発表しました。
Space Oriented Architecture (通称SOA)という大型のBEVプラットフォームとなります。
これは長距離を走れ、また高速充電、高度な走行支援があるんだとか。
これの開発は中国・英国・スウェーデン・ドイツで行われ、全長4860mmから5995mmまで、ホイールベースは3000mmから3800mmまでで設計可能で最大120kWhのバッテリーを搭載可能なんだとか。
最大約700kmを走行可能なこのプラットフォームですが、前輪駆動・後輪駆動・全輪駆動と駆動方式も自由自在とのことで、
その自由度がすごいと感じますが、見た目の通りスペース効率は抜群です。
4列シート構成が可能ですが基本そのようなMPVやSUV、ピックアップトラックなどの車両に展開される予定とのこと。
サスですが、フロントはストラット、リアはマルチリンク、そしてエアサスも用意できるらしく、自由度が高いです。
こういう自由度の高いものを用意してくるということは、競争力があるということになりますが、
このプラットフォーム、ロンドンタクシーでも使えるサイズなんですよね。
現在のTXのディメンションを見ると、サイズ的に十分に使えますよね。
問題は最小回転半径をどう収めるか?・・ですが。
というわけで、つらつら書いていきました。
大事なポイントは2つ
・英国企業ではなく吉利汽車が親会社
・電気自動車の展開で共通プラットフォームをガチで作ってきている
イギリスの伝統があるジャンルでもローカライズされておれば地位が確立できるという証明ですよね。
そして電動化が今後、加速していくのが読み取れる展開ですよね。
つまり、今後は世界の電動化の流れは急激に加速していく可能性が。
ということで今回はここまで。
お時間あるときにぜひどうぞ。noteも書いてます。