さて、ダイハツの不正が明るみになりました。
そして全車種販売停止状態に。
その内容を見て目眩がした私ですが、その異常さを感じるのはその業界(製造側)に片足を突っ込んでいたからかもしれません。
世の反応を見ていたら正しく捉えているもの、実害があるかどうかもわからないのに事故がないから良いとするもの、
そしてなぜか賛美するものが。
もう頭痛が痛い。
そしてその多くがその内容を理解していないわけで。
例えばこれ。
これはテスト用のエンジンの性能を上げるための加工であり、これで試験を通してスペック出しをしても
量産車はその加工はないので、性能がガタ落ちするということになるわけで。
つまり、ユーザーは1mmも美味しい思いはせず、そのエンジンスペックで釣られて買ってもその性能は絶対に出ない・・ということです。
つまり、詐欺です。
自動車メーカーの広報車チューンというのを聞いたことがある方も多いですが、
割とそういうのが横行していたこともあり、ドリフトで有名な某氏も吠えたことが。
トヨタなどもカタログのパワーが出る車両なんてマジでなく、今でもあるとは思いませんが、
ではなんでそのパワーが出たの?・・となるとやっぱり同じことやってたんじゃね?・・となるわけで。
まぁ、当時はそういうのをやってるというのは公然の秘密でした。
3Sエンジンのヤマハヘッドの件はマジで有名ですよね。
なのでヨーイドンしてB16Aに伸びで勝てた4A-Gはいないわけで。
もちろんB18Cに勝てた3S-Gもいないでしょうし。
※もちろんノーマルベースの話。
それくらいのハイチューンを行っていた・・となるわけですが、
その加工は特に特殊でもなく手間がかかるセオリー的なもの。
なので技術者の云々みたいな話でもないわけで。
それの不正を賛美ってマジでメカに弱いか意味わかってないかですよね。
わたしはもともとエンジンバラして組めてそれらの加工も経験者ですから意味は十分にわかっていますので、
ざっと改めて説明しましょう。
①シリンダーヘッド下部の面研で燃焼室の容積縮減
→これは圧縮比が高くする方法。昔はガスケットの厚みを変えたりして同様のこともやっていましたよね。
圧縮日が上がるということはパワーが上がるということです。
②スロットルボディの拡張
→いわゆるビッグスロットルにするような加工となりますが、これにより空気の流入量が増えます。
簡単にいうと、エアクリをきのこタイプに変えたのと同じ効果があるということです。
もちろんパワーアップに寄与します。
③作動角が大きいカムシャフトを特注し使用
→この中で一番効果がある方法。
作動角が大きくなると吸気バルブ・排気バルブのリフト量、つまり開く程度が大きくなります。
その分、空気が入るのでパワーアップに。
ただし、低速が悪くなります。
④シリンダーヘッドの吸気・排気のポート研磨
→シリンダーヘッドのバルブのポートを削ってツルツルにします。
それにより吸排気の抵抗が減ってパワーアップにつながります。
⑤ハイオクガソリンの使用
→これが直接どうこうはないんですが、上記のチューンによりレギューラーだと異常燃焼を起こす可能性があるので、
ハイオクを使うことでそれを回避したんでしょう ※ハイオクのほうが燃えにくい=高圧縮エンジン向け
⑥EFI ROMの書き換え
→上記の変更によりより多くの空気を入れれるのでそれに合わせた燃料マップが必要です。
それを合わせたということでしょう。
ということで、昔のエンジンでいうフルチューン状態で試験を実施していた・・ということです。
でも市販車はそうでないので、パワーもフィールもガタ落ちになります。
でもメーカーはその数値をもとにカタログを作るわけです。
はい、どこに賛美する要素があるんでしょう?
ちなみに基本的に燃費は良くなりません。
この目的はパワーを得ることですからね。
これの賛美の流れはスズキの不正の際に、実際に条件合わせてやったらより良い燃費になった・・・という話題と同じものを感じますが、
そもそもこれは公の試験で嘘をついたということが問題なんです。
国の取り決めに則りそれらの基準をクリアしたものが、それらが担保される形になるわけですが、
それを不正でクリアしたら担保できませんわな。
任意保険会社もその実態がわかるまで危険と判断しても文句が言えないレベルの内容です。
※エアバックの件などはモロにそれ。
それを中にはそもそもそんな評価は必要なのか?みたいなことを言い出すバカも。
ルールはルール。
それは最低限守るべく内容なわけで。
それを30年以上誤魔化していました・・はマジでやばい内容です。
そしてトヨタの子会社になっている現在、トヨタがそれらの取り組みを知り得ることはできたはずです。
子会社なのにほったらかしはないですわな。基本的に。
なので、今回の件はトヨタも関わっていた(=それらをOKとしていた)ということも予想されるわけで。
昔のパワー詐欺的なそれらを知っているので余計にそう思うわけで。
いずれにせよ、深く考えないとしてもダイハツが起こしたこれらは最悪の事象です。
これがアメリカなら訴訟大会に発展するのは間違いないくらいのものですが、
そういうのが起きないと考えているんでしょうね。
シンプルにカタログスペックが保証されていない・・というだけで勝てますが、
日本人はそういうことを言わないという考えなんでしょう。
個人的には前提が崩れているので、全数買取りで再度認証取り直し・・じゃないとあかんように思うんですよね。
もちろんそんなの無理だと思いますが。
でも安易に「問題ないから」で済ましたらダメだとも思います。
ちなみに輸入車は輸入する際に市販車でそれらをチェックしているので現物評価での性能が担保されているようなもんです。
・・が、日本メーカーの国内向けはこのようなザルが割と多いかもしれません。
事実、海外向けの車両は日本国内モデルとサイズや部品構成が違っていますから、海外での評価が日本国内向けに当てはまらない可能性も高く。
86なんかはそうですよね。北米向けは明らかにリアのメンバーが変わっていて剛性が高いですから。
その国々向けの基準に合わしているだけ・・かもしれませんが、そうであるならば尚更日本国内向けはそうでないという認識を持つことも大事でしょう。
ドイツ車がボディしっかりしているというのは、もしかしたらそういう点の差なのかもしれませんよね。
注)基本的に日本向けのドイツ車はヨーロッパ生産でその構造も本国仕様がほとんどです。ただし、北米生産モデルは北米仕様になっていますのでドイツメーカーといってもそこは差があります。アラバマベンツとか。
そんな感じですが、個人的にはダイハツは自社生産品は廃止、そしてトヨタのOEM工場だけやる・・といったところまでしないとあかんような気がします。
鈴木相談役の考えを聞いみたいもんです。
というわけですが、このダイハツ問題、安易に捉えるのはあかんと思います。
本日はここまで。
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