みなさん こんにちわ
あるいはこんばんわ
さて、欧州連合とドイツのやりとりの結果、「2035年以降、e-Fuelに限定した内燃機はOK」というニュースが出まして、日本の媒体は「内燃機容認」とシンプルに発信した結果、BEV否定派は喜びの舞を披露しているわけですが、それらの反応を見ているとやはり事実誤認が多く見られます。
これのe-Fuelは合成燃料ではありますが、今までの合成燃料ではありません。
詳しくは前回のこれをみてください。
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合成燃料というフレーズで出てきている勘違いですが、傾向としては古い情報をそのまま引用しているケース。
一つは日本でもあったガイアックスの合成燃料。
これは高濃度アルコール燃料で天然ガスを減量として韓国などで製造したものを販売していたんですね。
この成分は、炭化水素分49.3%、イソブタノール 21.2%、イソプロパノール 12.0%、添加剤としてオクタン価向上剤の MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)が17.4%らしかったんですが、結果的に車両への影響が多々あったわけで。
その影響はアルミ部品の腐食などで燃料漏れなどもあったらしく問題化。
2003年、安全上の理由から燃料の品質を規定する「揮発油等の品質の確保等に関する法律」が改正され、ガソリンへのアルコール等の混合許容値は「エタノールは混合率3%まで、その他含酸素化合物は含酸素率1.3%まで」と定められました。
これにより同年に日本での高濃度アルコール燃料の販売が禁止されることとなり販売停止になりました。
そして二つ目はいわゆるバイオ燃料。
燃料で使われているものは穀物を用いています。
トウモロコシなどの安い穀物を発酵濾過させてエタノールを作りそれを混合しているわけですが、
これはアメリカや欧州でもすでにあり、10%混合のものはE10GASとして使われていますよね。
これらも混合しているので合成燃料と言われますが、欧州の話題になっているe-Fuelは全く別物です。
基本的には風力発電の電気で水素を作り、それとCO2を結合させて合成メタノールを作り、
それを混合するといった方法です。
基本的にカーボンニュートラルが目的なので再エネ由来が必須と言われています。
なので完成したものがE10と同様のものであるかもしれませんが、その由来は全く違っているわけで、E10とは立ち位置が全く違います。
その再エネ由来のものに限定して使うことで2035年e-Fuel専用自動車は新車販売OKになるかも?・・という話になっています。
そんなわけで、今までの合成燃料とは意味が違うということを前提として知っておかないと、今回のニュースも捉え方を誤るという結果になります。
また、そのe-Fuel専用という部分のハードルが極めて高いという点もポイントです。
そしてこのe-Fuel、日本導入となれば非常に高いハードルが出てきます。
それは製造に使う電力が膨大という点。
しかも再エネです。
これらを知ると、今までの合成燃料と大きく隔たりがあるというのがわかりますよね。
知ること、大事です。
本日はここまで
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